分析手法、サービス概要
成長させた酸化物単結晶から切り出した基板について研磨を行い、表面を鏡面にしました。研磨によるダメージが内部に入っていないか確認するため断面TEM観察を行った所、結晶欠陥が観察されました。研磨条件の見直しとTEM観察を繰り返すことが、研磨方法確立に有用です。
観察内容の詳細
FIB法(マイクロサンプリング法)により、材料に機械的な応力をかけずにTEM観察用薄片を作製し、断面をTEMまたはSTEMで観察して基板表面近傍に異常がないかを確認します。研磨後の表面ラフネスや、数μm程度までの深さに転位線などの結晶欠陥の有無を直接観察できます*1。
*1欠陥密度が低い場合(107cm2以下)は結晶欠陥(転位線等)のTEM観察は困難です。
- 熱による変質の懸念がある場合、FIBによる薄片化は冷却しながら行うことが可能です。
- 大気中による水分で変質の懸念がある場合、FIBによる薄片化後、ArまたはN2雰囲気でTEM内に搬送可能です。
適用例と観察実績
- 各種基板上に成長させた窒化物系(GaN、AlGaN等)の断面TEM観察
- サファイア等の酸化物単結晶基板表面の断面TEM観察
- Si,SiC,GaAs等の半導体単結晶基板表面の断面TEM観察
- Fe,Ni,Cu等の金属単結晶基板表面の断面TEM観察
- 表面改質したSi基板の表面の断面TEM
- 貼り合わせ基板接合部の断面TEM
お客様の声
- 処理によって欠陥の量や種類は大きく変わるが、光学顕微鏡やSEMでは区別がつかない。 TEMだと欠陥が明瞭に観察されるので、製品の品質保証には欠かせないツールとなっている。
- 立ち合い分析で試料の様子を直接確認出来るのが良い。