ウエハ用のハンドリングツールは、ウエハとの接触部が清浄であることが重要です。
ツールの接触部が汚染されているとウエハに汚染が転写されてしまい、半導体製造の歩留まりや製品性能の低下を引き起こす一因となってしまいます。
ここでは、購入した真空ピンセットの先端チップから転写される汚染について評価した事例を紹介します。
評価事例
汚染評価方法
購入した真空ピンセットについて、先端チップの清浄度を評価するため、購入直後の状態とIPAによる化学洗浄(※)を施した状態でウエハ表面に接触させ、Sweeping-TXRFを用いて汚染分布と汚染量を評価しました。
※洗浄はメーカー推奨の方法で行っています。
ウエハ | 8インチSiウエハ |
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測定方法 | Sweeping-TXRF |
評価方法 | 真空ピンセットの先端チップをウエハ表面に接触させた後、Sweeping-TXRFで汚染状況を評価 |
接触方法 |
①ウエハの左側に購入してそのままの先端チップ(赤枠)を吸引状態で10秒間接触 ②ウエハの右側に洗浄後の先端チップ(緑枠)を吸引状態で10秒間接触 |
分析結果
購入直後 洗浄後
購入直後 洗浄後
購入直後 洗浄後
購入直後 洗浄後
図2.汚染ウエハのSweeping-TXRF測定結果
測定の結果、洗浄の実施により先端チップからの汚染転写量が大幅に減少していることが確認できました。
このように、Sweeping-TXRFで分析することによって、ウエハハンドリングツールからの汚染状況を可視化し、清浄度を確認することができます。