デバイス・材料の形態・構造・組成評価を原子レベルで行います。NTT-AT の材料分析サービスラインナップのひとつであるTEM による半導体材料の形態観察は、NTT 研究所で長年培ってきた膨大な分析件数と、そのノウハウの結晶ともいえる分析サービスです。
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非弾性散乱には色々な素過程があり、主なものは、原子の内殻励起電子励起とそれに伴う特性X線放出、制動輻射による連続X線放出、伝導帯での自由電子集団の時間的、空間的振動の励起(プラズマ励起)、格子振動励起(フォノン励起)による試料温度上昇などがあります。
特性X線のエネルギーは元素に固有な値なので、放出されるX線のエネルギーと強度を調べることにより、結晶に含まれる元素の種類と量(化学組成)を知ることが出来ます(エネルギー分散X線分光法: EDS)。
試料を透過した電子線をマグネットで偏向させることにより、その偏向角から電子のエネルギー損失スペクトルを知ることが出来ます。入射電子が結晶中で内殻電子を励起する場合、自分自身はエネルギーを失っており、内殻電子の結合エネルギーは元素に固有なので、失われたエネルギーとその電子強度を調べれば元素の種類と量(化学組成)を知ることが出来ます(電子線エネルギー損失分光:EELS)。
適用例(観察例)
TEM観察事例を追加しました。 次世代半導体材料 酸化ガリウムの原子分解能STEM観察事例を追加しました。
単結晶基板表面の研磨ダメージ
精密研磨技術、研磨装置、研磨剤の研究をされていお客様へ。研磨方法の確立には研磨条件の見直しとTEM観察を繰り返すことが有用です。
精密研磨技術、研磨装置、研磨剤の研究をされていお客様へ。研磨方法の確立には研磨条件の見直しとTEM観察を繰り返すことが有用です。
ナノマテリアルのHRTEM観察
C60を内包したCNTをマイクログリッドに補修した観察。
C60を内包したCNTをマイクログリッドに補修した観察。
金属材料の断面TEM観察
エッチングレートの異なる基板と膜でも、広範囲に断面TEM観察が可能
エッチングレートの異なる基板と膜でも、広範囲に断面TEM観察が可能
TEM観察とは?
TEMでは数百nm以下の薄い薄膜に電子線を入射し、微小領域を拡大して材料の情報を詳細に調べることが出来ます。
装置外観
入射した電子は、材料を構成する原子によって散乱されます。材料が結晶の場合、原子は規則的かつ周期的に配列しており、各原子によって散乱された波は干渉しあい、電子波はその入射方向とは異なる特定の方向に強く伝搬します。この現象はブラッグ反射あるいは回折と呼ばれており、ブラッグ反射が起こるかどうかは、結晶構造と結晶に対する電子線の入射方向(入射条件)によって決まります。
ブラッグ反射の現れ方とその反射強度から結晶構造を知ることが出来ます。回折パターンを得ることで、これら逆空間の情報を得ることが出来ます。実空間の情報を得るには、透過波のみ対物絞りで取り込んで結像する明視野像、回折波のみで結像する暗視野像、多くの波を干渉させて結像する多波干渉像があり、試料の内部組織に関する情報が得られます。多波干渉像では原子列の周期的な配列が観察できます(高分解能格子像)。
ブラッグ反射の現れ方とその反射強度から結晶構造を知ることが出来ます。回折パターンを得ることで、これら逆空間の情報を得ることが出来ます。実空間の情報を得るには、透過波のみ対物絞りで取り込んで結像する明視野像、回折波のみで結像する暗視野像、多くの波を干渉させて結像する多波干渉像があり、試料の内部組織に関する情報が得られます。多波干渉像では原子列の周期的な配列が観察できます(高分解能格子像)。
■ 得られる像の種類
暗視野 | 明視野 | 格子像 |
■ 得られる情報
結晶構造 | 結晶方位 | 格子定数 | 極性 |
規則状態 | 配向 | 結晶性 | ボイド |
表面ラフネス | ドメイン構造 | 結晶欠陥 | 原子配列 |
TEM分析に関するご相談
TEMは試料薄片作製が難しく、その出来が最終的なデータの質に直結します。私たちは試料加工技術においても豊富な知識と経験を有しておりますので、 様々な試料に対応した適切な薄片化技術をご提案することができます。
お見積りやTEM分析に関するご相談は下記 お問い合わせフォーム よりお気軽にご連絡ください。
組成分析
試料に入射した電子線の一部は結晶内部で非弾性散乱されます。つまり、結晶や構成原子を励起して自分自身はエネルギーを失い色々な方向に散乱、伝搬します。非弾性散乱には色々な素過程があり、主なものは、原子の内殻励起電子励起とそれに伴う特性X線放出、制動輻射による連続X線放出、伝導帯での自由電子集団の時間的、空間的振動の励起(プラズマ励起)、格子振動励起(フォノン励起)による試料温度上昇などがあります。
特性X線のエネルギーは元素に固有な値なので、放出されるX線のエネルギーと強度を調べることにより、結晶に含まれる元素の種類と量(化学組成)を知ることが出来ます(エネルギー分散X線分光法: EDS)。
試料を透過した電子線をマグネットで偏向させることにより、その偏向角から電子のエネルギー損失スペクトルを知ることが出来ます。入射電子が結晶中で内殻電子を励起する場合、自分自身はエネルギーを失っており、内殻電子の結合エネルギーは元素に固有なので、失われたエネルギーとその電子強度を調べれば元素の種類と量(化学組成)を知ることが出来ます(電子線エネルギー損失分光:EELS)。
■ 指定特定領域でのEDS分析
FIB加工法はサブミクロンの特定箇所の断面TEM試料作製に威力を発揮します。下記の例は、コンタクト部での異常(アロイスパイク*1の発生)を観察したものです。また、EDSを用いることにより数nm領域の組成を調べる事も可能です。
この例では異常部分においてAlの発生が確認されました。
※1:アロイスパイク(alloy spike)とは主にSi / Al電極界面において、SiとAlの相互拡散によって生じる異常部位のことです。
異常コンタクト
(アロイスパイク発生)
(アロイスパイク発生)
EDS測定場所