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誘導結合プラズマ質量分析 ICP-MS

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ICP質量分析 (ICP-MS)とは?

水溶液中の極微量金属・非金属元素の分析

水溶液中のpptレベルの極微量の金属・非金属元素を多元素同時に測定することができます。
1ppt(parts per trillion)とは、1リットル中に1ng(1ナノグラム)、すなわち、0.000000001gが存在することを意味します。

ICP-MSの装置構成と原理

四重極ICP-MSの装置構成と原理を紹介します。 装置構成としては、試料導入部、プラズマ、インターフェース、イオンレンズ、四重極質量アナライザ、検出器から成り立ちます。
四重極ICP-MSの構成図(Agilent Technologies様ご提供図)
溶液状の試料は、ペリスタルティックポンプあるいはネブライザー自身の負圧吸引でネブライザーに導入され、エアロゾル化、微小系の粒子のみがスプレーチャンバーを抜けてプラズマに導入されます。

プラズマに入った試料は瞬時に分解し、原子化、そしてイオン化され、発生したイオンはプラズマから、インターフェース部のサンプリングコーンとスキマーコーンと呼ばれる一対のオリフィスを通り、高真空状態に維持された質量分析部に送られます。 次に、測定元素イオンは、イオンレンズシステムにより四重極質量アナライザに収束され、質量電荷比(m/z)に基づいて分離されます。 この四重極質量アナライザでは、特定の質量電荷比を持つイオンのみを透過させることができます。

最後に、測定元素イオンは検出器の二次電子増倍管で測定され、質量数毎の信号(質量スペクトル)となります。 得られた質量スペクトルは、各元素の同位体の信号がそれぞれの質量数に現れ、信号強度はサンプル溶液内の当該同位体の濃度に比例することから、定量することができます。

四重極ICP-MS
四重極ICP-MS
二重収束型(高分解能)ICP-MS
二重収束型(高分解能)ICP-MS

また、

  • 測定値に影響を及ぼす妨害(多原子イオン干渉)が存在する試料
  • 半導体で重要な元素の一つであるリン(P)を低濃度まで測定する必要がある試料半導体ウエハ表面・バルク分析クリーンルームエア分析、等)

には二重収束型(高分解能)ICP-MSが、その高い質量分解能で威力を発揮します。
 

適用例

ウエハ表面金属汚染分析(適用サイズ 4インチ~12インチ)
バルク中の不純物
純水、試薬、フォトレジスト中の不純物分析
部材からの金属成分の溶出量 
薄膜組成及び不純物分析
河川水・温泉水・土壌溶出液等の環境分析

分析元素

希ガス、一部ハロゲンを除く幅広い元素に対応
ICP-MS分析元素
分析元素

分析事例のご紹介

ウエハ汚染分析
分析事例1 汚染回収方法と評価事例
評価対象として、「ウエハ表面全面」、あるいは「裏面全面」に加え、任意の表面箇所「部分回収」や「エッジ・ベベル部、ノッチ部」での回収事例をご紹介します。
分析事例2-1 気相分解法(VPD)-誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)
シリコンウエハ表面の酸化膜を溶解させて(VPD)回収した金属元素を、ICP-MSによって高感度に定量できます。
分析事例2-2 貴金属元素の添加回収試験
弊社では、回収が難しいとされる金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)やパラジウム(Pd)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)などの貴金属元素を、高い回収率で回収する技術を確立しています。
分析事例3 親水性基板の添加回収試験
回収評価の難しかった親水性基板表面上の微量金属汚染も弊社では高精度に分析が可能です。
分析事例4 ウエハへの転写によるクリーンルーム用部材の汚染評価
手袋を代表とするクリーンルーム用部材は、数多くの種類が市販されています。しかしながら、材質やグレード等に注意し、選定しなければ、製品を汚染させる恐れがあります。そのため、クリーンルーム用部材を使用する以前に、汚染評価されることをお勧めします。
分析事例5 SiC(炭化ケイ素)基板表面上の極微量金属汚染の分析
次世代パワー半導体のSiC(炭化ケイ素)基板の汚染分析をTXRF,ICP-MSにて評価した事例となります。

各種部材の金属・イオンの溶出試験
無機元素分析の前処理方法のご紹介

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