概要
球面収差補正STEM(走査型透過電子顕微鏡)で観察するとともに、EDS分析*1とEELS分析*2を適切に使い分けることにより、種々デバイス/材料の局所構造を原子オーダーで分析します。収束電子回折(CBED)などの手法とは異なり、シミュレーションを行わなくても原子配列の情報を直接的に得ることができます。測定例
原子種を直接識別することで、結晶の極性や双晶界面などの情報を得ることが出来ます。チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)やヒ化インジウム(InAs)といった、原子間距離が広く、信号強度も強い材料の測定例を2つご紹介します。
測定例1
チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)の原子カラムを球面収差補正STEM像により観察しました。- HAADF-STEM分析とABF-STEM分析
HAADF-STEM観察像
ABF-STEM観察像
- EDS-STEM分析
- EELS-STEM分析
測定例2
ヒ化インジウム(InAs)の原子カラムを球面収差補正STEM像により観察しました。- EDS-STEM分析
他、III-V化合物半導体のSTEM-EDS分析を行い、原子レベルでの異常部の組成変化を解析しています。
語句の説明
※1 EDS分析 | エネルギー分散型X線分光法 |
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※2 EELS分析 | 電子エネルギー損失分光法。EDS分析、EELS分析いずれも極微小部の元素を識別する手法 |