分析の概要
イオンクロマトグラフィーは、溶液中の各種イオンを高感度に検出できます。検出されたイオンは、標準液の保持時間と比較することで同定ができます。しかしながら、溶液中に対象イオンの含有量が少ない、保持時間が同一なイオンが共存する場合には、同定が困難になります。 このような場合には、イオンクロマトグラフ-質量分析計(IC-MS)が有用です。測定例
クリーンルームエアをインピンジャーに捕集して、未知イオンをイオンクロマトグラフ-質量分析計(IC-MS)で同定した測定例をご紹介します。捕集した溶液をイオンクロマトグラフィーで測定すると保持時間 4.4minに未知ピークが検出されました。このピークをIC-MSで測定するとm/z 102(M+H)のピークが確認されました。
このことから、未知イオンは分子量101の成分が正イオン化したものと分かり、詳細な解析を行うと、トリメチルアミンと推定されました。
次に、トリメチルアミンの標準液をイオンクロマトグラフィーで測定すると保持時間 4.4minにピークが出現し、未知ピークの保持時間と一致しました。この結果から、未知ピークがトリメチルアミンと同定できました。